■申入書2017 

 

2017年12月11日 京丹後市長あて

米軍Xバンドレーダー基地問題に関する申し入れ書

 

2017年10月18日 内閣・防衛省・近畿中部防衛局あて

抗議申し入れ書 / 質問書

 

2017年9月11日 京丹後市長あて

米軍Xバンドレーダー基地問題に関する申し入れ書

 

2017年6月20日 京丹後市長あて

米軍Xバンドレーダー基地問題に関する申し入れ書

 

  

2017年12月11日

京丹後市長 三崎政直 様

 

米軍Xバンドレーダー基地問題に関する申し入れ書

 

 貴職におかれましては、市民の生活を守り、その安全安心を実現するために日々奮闘されておられることに敬意を表するものです。

 

 東アジアにおいて米国と朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の対立がますます激しくなり、先日も米軍機230機が参加する史上最大規模の航空戦力による韓米合同軍事演習が実施されるなど軍事的緊張が高まっています。米国のトランプ大統領は、「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」として、朝鮮に対する軍事力の行使を否定してきませんでした。そして、巨大な米韓合同軍事演習をくり返し、朝鮮を軍事的に威嚇してきました。これに対して朝鮮は核開発、弾道ミサイル開発で対抗し、東アジアにおける戦争の危機が高まってきています。そして朝鮮は、東アジアで戦争になれば、米本土やハワイ・グアムだけではなく、在日米軍基地もまた攻撃対象になると公言してきました。安倍政権は、この戦争の危機を回避するための外交的努力を何も行わず、朝鮮への制裁・圧力の強化だけを主張し、迎撃ミサイルのPAC3の各地への配備やイージス・アショアの導入など米国との軍事同盟の強化をすすめています。このもとで、米軍基地が存在する京丹後の住民の不安感がますます強まっており、「北朝鮮のミサイルに備えた避難訓練を実施すべきだ」などの声が広がってきています。

 

 しかし、いま政府の指示によって全国各地で実施されている「避難訓練」はまったく意味がないものです。もし朝鮮が日本にむけてミサイルを発射した場合、そのミサイルはわずか7分で日本に到達します。政府のJアラートシステムが警報を流すことができるのは、最短でもミサイル発射から4分後です。わずか2~3分の間で、避難行動をとることなど不可能です。このような何の意味もない避難訓練の実施は、いまにも朝鮮が日本を攻撃するかのような誤った認識を広げ、朝鮮への恐怖感をいたずらにかきたてるだけです。まして、米国と朝鮮の全面戦争という事態になれば、どのような避難行動をもってしても戦争による被害を避けることはできません。

 

 さらに米軍Xバンドレーダー基地は、アメリカを中心としたミサイル防衛(MD)戦略の拠点となるもので、この米軍基地の存在そのものが東アジアの戦争の危機を高める一因となっているのです。この米軍基地を受け入れ続けるということは、京丹後市が米国による朝鮮への軍事的包囲と威嚇に関与し、戦争の危機を高める側に立ち続けることを意味します。このような事態のもとで、私たちは京丹後市および京丹後市議会に対して以下のことを申し入れます。

 

① いま京丹後市がなすべきことは、住民の命と安全に責任を負う地方自治体として、東アジアでの戦争に反対し、武力によってではなく対話によって事態を解決すべきことを安倍政権に要求することです。「避難訓練」など実施する必要がないような、平和な東アジアをつくりだしていくことこそが求められているのです。東アジアの軍事的緊張の根底にあるものは、1950年に始まった朝鮮戦争が未だ終結しておらず、平和協定すら締結されていないことです。米国と朝鮮の直接対話、米韓合同軍事演習と朝鮮の核開発・ミサイル開発の双方の停止、米国・朝鮮・韓国・中国・日本・ロシアの六カ国協議の再開などを通して朝鮮戦争平和協定の締結に向かうことこそ東アジアの平和への転換点となります。京丹後市として、日本政府と全国にむけて東アジアでの戦争に反対し、平和を求める態度を表明することを要請します。

 

② 京丹後の住民の命を脅かし、東アジアの軍事的緊張を高める一因となってきた米軍Xバンドレーダー基地を撤去することです。防衛省(近畿中部防衛局)は、京丹後に米軍基地を建設するにあたって、「米軍基地は抑止力になるので京丹後はさらに安全になる」と強弁してきました。しかし、この間の事態はそれがまったくの偽りであることを示してきました。現代の戦争においてレーダー基地は最も重要な施設のひとつです。在日米軍基地も攻撃対象だと朝鮮が公言したように、東アジアで戦争になればXバンドレーダー基地が真っ先に攻撃対象となることは確実です。米軍基地が存在することによって、京丹後は東アジアの軍事的緊張の最前線におしだされ、住民の命と生活が脅かされてきたのです。そればかりではなく、私たちは朝鮮に対する軍事的包囲と威嚇に言わば「加害者」として加担させられてきているのです。私たちは戦争の犠牲者になることも加害者になることも拒否します。東アジアの平和を実現し、京丹後の住民の命を守るためにXバンドレーダー基地の撤去をあらためて要求します。

 

③ 米軍基地建設を憂う宇川有志の会や私たち京都連絡会は、住民の安全・安心を守るために、陳情や申し入れをこれまでから行ってきました。しかし、京丹後市の対応はまったく不十分なものにとどまっています。あらためて以下の諸事項の実施を要請します。

 

(1) 米軍人・軍属による交通事故防止のための努力を推進し、とりわけ安全運転講習を受けていない軍人・軍属には運転させないという措置をとることを米軍に求めること。

 

(2) 当初の約束に反した軍属(主にレイセオン社)の個人居住・個人通勤が改善されていない。集団居住・集団通勤という約束にもとづき事態を改善すること。

 

(3) 9月26日から3日連続で実施された陸上自衛隊福知山射撃場での実弾射撃訓練について、銃器を直接軍人・軍属のマイクロバスに搭載しているのではないかという住民からの声があがっています。実施日程の事前の公表など米軍・防衛省に情報の開示を要求し、訓練の内容や銃器の管理にかかわる安全対策を明らかにすること。

 

(4) 騒音対策として予定されている商業電力の導入が来年に延期されたことにともない、防衛省は騒音対策として九品寺側に防音シートを設置したが、ほとんど効果はない。当面、これ以外の騒音対策を検討されているのであれば、その内容を明らかにすること。

 

(5) 経ケ岬の米軍基地をその東側の三角地まで拡張する計画が進められているが、基地を拡張しないという約束に反するもので、不要な拡張計画なので撤回することを要請する。

 

(6) 米軍基地建設の二期工事の日程、建設する施設の詳細を米軍・防衛省に明らかにさせ、二期工事に関連する安全・安心対策を明らかにすること。

 

(7) 米軍基地に隣接する航空自衛隊経ケ岬分屯基地の大規模な拡張工事が行われてきたが、この拡張工事によって自衛隊基地の機能や役割がどう変化するのか、まったく明らかにされていない。防衛省に対して、これらを明らかにすることを要求すること。

 

(8) 安全・安心連絡協議会の公開や住民説明会の開催など、地元住民と米軍・防衛省が直接対話できるシステムを拡充すること。

 

     米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会

      共同代表 大湾宗則 白井美喜子 上岡修 瀧川順朗 仲尾宏

      連絡先 602-8347 京都市上京区四番町121-5 大湾 宗則方 

      電話&FAX 075-467-4437 

      郵便振替口座 00950-9-303127 名義 京都連絡会

           事務局連絡先 090-1590-9469(山本純)

 

 

 

 

  

 

(2017年10月18日)

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安倍晋三内閣総理大臣  殿

小野寺五典防衛大臣   殿

藤代誠近畿中部防衛局長 殿

 

抗議申し入れ書

 

                  米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会

                       代表世話人 服部良一 大湾宗則

 

 朝鮮半島・東アジアでは、米国と朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の軍事的緊張が高まり、戦争に至る危険性が強まってきています。米国のトランプ政権は、「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と公言し、朝鮮への軍事力の行使を否定していません。そして、巨大な米韓合同軍事演習をくり返し、在韓米軍へのTHAADミサイルの配備を強行しました。しかし、武力で平和はつくれません。米国・韓国・日本による軍事的威嚇や制裁は、朝鮮を核開発・弾道ミサイル開発に追いやってきただけでした。東アジアはいま、いつ戦争に至っても不思議ではない状況にあります。

 

 もし東アジアで戦争がおこるならば、日本を含む東アジアのぼう大な民衆が犠牲となることは明らかです。私たちは、東アジアでの戦争に反対し、東アジアの平和への転換点をつくりだしていかねばなりません。しかし、日本政府は「北朝鮮の脅威」を煽りたて、米韓合同軍事演習に実質的に参加し、朝鮮への制裁の強化を推進するばかりで、積極的に現在の戦争の危機を打開しようと努力しているとは思えません。

 

 東アジアにおける戦争の危機の根底には、1950年に開始された朝鮮戦争が休戦状態にあるだけで、戦争を終結させるための平和協定すら締結されていないことがあります。それだけではなく、米国は朝鮮半島への新たな軍備の持ち込みを禁じた朝鮮戦争休戦協定(1953年発効)の第13節(d)を一方的に破棄し、中国人民解放軍が撤退した後も、唯一の外国軍隊である米軍の韓国駐留を継続してきました。そして、朝鮮が朝鮮戦争を終結させるための平和協定の締結を要求しても拒否しつづけてきました。

 

 東アジアの平和のためにいま必要なことは、米日韓による合同軍事演習と朝鮮による核開発・弾道ミサイル開発の双方を停止し、米朝の直接対話や六カ国協議の再開、平和協定の締結をもって朝鮮戦争を終結させることです。そして、すべての外国軍隊を朝鮮半島から撤退させ、南北朝鮮の自主的平和統一を促進していくことです。このような立場から、私たちは以下のことを日本政府に要求します。

 

(1) フォール・イーグルやキー・リゾルブなどの米韓合同軍事演習を中止し、これらの合同軍事演習に自衛隊を参加させないこと。

 

(2) 日本政府の朝鮮敵視政策を転換させ、朝鮮への制裁を中止すること。日朝平壌宣言にもとづき、日朝国交正常化を行うこと。

 

(3) 米朝の直接対話や六カ国協議の再開を促進し、朝鮮戦争平和協定の締結のために努力すること。

 

(4) 辺野古新基地建設など、米軍・自衛隊の海外への出撃拠点となる基地の新設・強化を中止すること。米国のミサイル防衛戦略の拠点となる米軍Xバンドレーダー基地を撤去すること。          

 

2017年10月18日

 

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安倍晋三内閣総理大臣殿

小野寺五典防衛大臣殿

藤代誠近畿中部防衛局長殿

 

                 質問書 

 

                   米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会

                       代表世話人 服部良一 大湾宗則

 

 以下の質問への回答を要請します。

 

 

 

(1) 米軍経ケ岬通信所に駐留する米軍人と米軍属の人数は、基地の運用開始時に何人で、現在何人なのか。

 

 

 

(2) 経ケ岬通信所の司令官は、初代がジェイソン・オルブライト少佐、次がサラ・カルデナス少佐であったが、現在はアントン・マクダフィー大尉となっている。司令官の階級が少佐から大尉に下がっていることは、なぜなのか。経ケ岬通信所の重要性が小さくなったということなのか。

 

 

 

(3) 経ケ岬通信所の二期工事は、いつ着工されるのか。二期工事の工程および建設する建物などの概要を明らかにしてもらいたい。二期工事の終了後は、駐留する米軍人・軍属は全員が基地内に集団居住するのか。

 

 

 

(4) 米軍人・軍属による交通事故対策として、安全運転講習が実施されてきた。しかし、この講習を受けないままに運転し、事故をおこした場合がある。この講習を受けていない軍人・軍属については運転を禁止するべきだが、防衛省は米軍に対してどのように要求してきたのか。

 

 

 

(5) 基地の騒音対策として、関西電力から商用電力を導入することが計画されてきた。しかし、当初の計画よりも大幅に遅れている。何が原因なのか、そしていつ商用電力の導入が実施されるのか。基地からの騒音は、現在も住民を苦しめている。商用電力の導入までの間、追加の騒音対策をどうするのか。

 

 

 

(6) 3万3000ボルトの高圧電線の敷設にともない、住民の電磁波による健康被害への不安が生み出されている。防衛省はこの事態をどう考え、どう解決しようとしているのか。

 

 

 

(7) 経ケ岬通信所の建設にともない、米軍基地に隣接する航空自衛隊経ケ岬分屯基地の拡張・増改築が実施され、経ケ岬分屯基地は以前よりもはるかに規模が大きくなった。経ケ岬分屯基地の役割・機能について明らかにし、拡張・増改築によって新たに付け加えられた役割・機能が何なのかを明らかにされたい。また、経ケ岬分屯基地に勤務する自衛隊員は、分屯基地の拡張・増改築にともない増員されるのか。

 

 

 

(8)  経ケ岬通信所と航空自衛隊経ケ岬分屯基地の連携関係はどうなっているのか。経ケ岬分屯基地は、自衛隊と米軍の共同使用施設とされているが、米軍は具体的にはどのように経ケ岬分屯基地を使用してきたのか。

 

 

 

(9) 経ケ岬通信所に隣接する三角地にまで米軍基地を拡張する計画がある。その理由が何であれ、基地の新規拡張は許されない。米軍基地建設にあたって、防衛省は基地を拡張することはないと約束していた。この約束をなぜ踏みにじるのか。

 

 

 

(10) 穴文珠の上のトイレは撤去されたが、トイレの土台の部分を含めた完全撤去には至っていない。いつまでに完全撤去されるのか。

 

 

 

(11) 防衛省は、イージス・アショアの自衛隊への配備を予算化しているが、どこに配備する予定なのか。京丹後に配備する可能性もあるのか。

 

 

 

(12) 経ケ岬通信所の米軍人・軍属の実弾射撃訓練が自衛隊福知山射撃場に移設されたが、これまでの射撃訓練の実施日および内容を明らかにされたい。また、射撃訓練の実施日を事前に明らかにできないのか。

 

 

 

(13) 防衛省は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)からのミサイル発射時のJアラートによる警報、小中学校の休校措置、公共交通機関の停止などを指示し、避難訓練を推奨してきた。しかし、Jアラートによる警報は早くてもミサイル発射の約4分後であり、ミサイルは約7分で日本に飛来する。したがって、上記のような措置は実際にはほとんど意味がないのではないか。

 

 

 

(14) 防衛省は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)からの弾道ミサイルが日本に飛来した時には、イージス艦に搭載するSM—3および日本各地に配備するPAC—3によって迎撃するとしている。しかし、日本に向けて弾道ミサイルが発射されるような全面戦争がアメリカと朝鮮の間で勃発するならば、日本を含む東アジア諸国の膨大な民衆が犠牲になることは明らかである。いま日本政府として何よりもやるべきことは、アメリカと朝鮮の戦争を回避するために最大限の外交的努力を尽くすことではないのか。

 

 

 

(15) 現在の東アジアの軍事的緊張の根底には、1950年に開始された朝鮮戦争が休戦状態にあるだけで、戦争を終結させる平和協定も結ばれていないことがある。東アジアにおける戦争を回避するために、アメリカと朝鮮の直接交渉や六カ国協議の再開、朝鮮戦争の平和協定の締結を促進していくことが必要だと考えるが、日本政府の見解を明らかにされたい。

 

 

 

                      2017年10月18日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年9月11日

京丹後市長 三崎政直 様

 

 

米軍Xバンドレーダー基地問題に関する申し入れ書

 

 

 貴職におかれましては、市民の生活を守り、その安全安心を実現するために日々奮闘されておられることに敬意を表するものです。

 

 東アジアにおいて米国と朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の対立がますます激しくなり、軍事的緊張が高まっています。米国のトランプ大統領は、「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」として、朝鮮に対する軍事力の行使を否定してきませんでした。そして、巨大な米韓合同軍事演習をくり返し、朝鮮を軍事的に威嚇してきました。これに対して朝鮮は核開発、弾道ミサイル開発を推進し、東アジアにおける戦争の危機が高まってきています。そして朝鮮は、東アジアで戦争になれば、米本土やハワイ・グアムだけではなく、在日米軍基地もまた攻撃対象になると公言してきました。安倍政権は、この戦争の危機を回避するための外交的努力を何も行わず、朝鮮への制裁・圧力の強化だけを主張し、迎撃ミサイルのPAC3の各地への配備やイージス・アショアの導入など米国との軍事同盟の強化をすすめています。このもとで、米軍基地が存在する京丹後の住民の不安感がますます強まっており、「北朝鮮のミサイルに備えた避難訓練を実施すべきだ」などの声が広がってきています。

 

 しかし、いま政府の指示によって全国各地で実施されている「避難訓練」はまったく意味がないものです。もし朝鮮が日本にむけてミサイルを発射した場合、そのミサイルはわずか7分で日本に到達します。政府のJアラートシステムが警報を流すことができるのは、最短でもミサイル発射から4分後です。わずか2~3分の間で、避難行動をとることなど不可能です。このような何の意味もない避難訓練の実施は、いまにも朝鮮が日本を攻撃するかのような誤った認識を広げ、朝鮮への恐怖感をいたずらにかきたてるだけです。まして、米国と朝鮮の全面戦争という事態になれば、どのような避難行動をもってしても戦争による被害を避けることはできません。このような事態のもとで、私たちは京丹後市および京丹後市議会に対して以下のことを申し入れます。

 

① いま京丹後市がなすべきことは、住民の命と安全に責任を負う地方自治体として、東アジアでの戦争に反対し、武力によってではなく対話によって事態を解決すべきことを安倍政権に要求することです。「避難訓練」など実施する必要がないような、平和な東アジアをつくりだしていくことこそが求められているのです。東アジアの軍事的緊張の根底にあるものは、1950年に始まった朝鮮戦争が未だ終結しておらず、平和協定すら締結されていないことです。米国と朝鮮の直接対話、米韓合同軍事演習と朝鮮の核開発・ミサイル開発の双方の停止、米国・朝鮮・韓国・中国・日本・ロシアの六カ国協議の再開などを通して朝鮮戦争平和協定の締結に向かうことこそ東アジアの平和への転換点となります。京丹後市として、日本政府と全国にむけて東アジアでの戦争に反対し、平和を求める意見書を発信することを要請します。

 

② 京丹後の住民の命を脅かし、東アジアの軍事的緊張を高める一因となってきた米軍Xバンドレーダー基地を撤去することです。防衛省(近畿中部防衛局)は、京丹後に米軍基地を建設するにあたって、「米軍基地は抑止力になるので京丹後はさらに安全になる」と強弁してきました。しかし、この間の事態はそれがまったくの偽りであることを示してきました。現代の戦争においてレーダー基地は最も重要な施設のひとつです。在日米軍基地も攻撃対象だと朝鮮が公言したように、東アジアで戦争になればXバンドレーダー基地が真っ先に攻撃対象となることは確実です。米軍基地が存在することによって、京丹後は東アジアの軍事的緊張の最前線におしだされ、住民の命と生活が脅かされてきたのです。私たちは、東アジアの平和を実現し、京丹後の住民の命を守るためにXバンドレーダー基地の撤去をあらためて要求します。

 

③ 米軍基地建設を憂う宇川有志の会や私たち京都連絡会は、住民の安全・安心を守るために、陳情や申し入れをこれまでから行ってきました。しかし、京丹後市の対応はまったく不十分なものにとどまっています。あらためて以下の諸事項の実施を要請します。

 

(1) 米軍人・軍属による交通事故防止のための努力を推進し、とりわけ安全運転講習を受けていない軍人・軍属には運転させないという措置をとることを米軍に求めること。

 

(2) 昨年11月から陸上自衛隊福知山射撃場で実施されてきた実弾射撃訓練について、実施日程の事前の公表など米軍・防衛省に情報の開示を要求し、訓練の内容や安全対策を明らかにすること。

 

(3) 騒音対策として予定されている商業電力の導入が来年に延期されたことにともない、防衛省は当面の新たな騒音対策を検討するとしているが、その内容を明らかにすること。

 

(4) 経ケ岬の米軍基地をその東側の三角地まで拡張する計画が進められているが、基地を拡張しないという約束に反するもので、不要な拡張計画なので撤回することを要請する。

 

(5) 米軍基地建設の二期工事の日程、建設する施設の詳細を米軍・防衛省に明らかにさせること。

 

(6) 米軍基地に隣接する航空自衛隊経ケ岬分屯基地の大規模な拡張工事が行われてきたが、この拡張工事によって自衛隊基地の機能や役割がどう変化するのか、まったく明らかにされていない。防衛省に対して、これらを明らかにすることを要求すること。

 

(7) 安全・安心連絡協議会の公開や住民説明会の開催など、地元住民と米軍・防衛省が直接対話できるシステムを拡充すること。

 

米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会

共同代表 大湾宗則 白井美喜子 上岡修 瀧川順朗 仲尾宏

連絡先 602-8347 京都市上京区四番町121-5 大湾 宗則方 

電話&FAX 075-467-4437 郵便振替口座 00950-9-303127 名義 京都連絡会

事務局連絡先 090-1590-9469(山本純)

 

 

 

2017年6月20日

京丹後市長 三崎政直 様

 

米軍Xバンドレーダー基地問題に関する申し入れ書

 

 貴職におかれましては、市民の生活を守り、その安全安心を実現するために日々奮闘されておられることに敬意を表するものです。

 

 さて、本市丹後町宇川地域に米軍Xバンドレーダー基地(米陸軍経ヶ岬通信所)が住民の思いをよそに建設され、その本格運用が2014年12月26日に始まってから2年6ヶ月になります。2015年5月末には、隣接する航空自衛隊経ヶ岬分屯基地の大幅拡張工事も始まり、現在その大きな施設が国道脇に姿を見せてきました。宇川地域穴文殊の地は今や日米の重要軍事拠点となってきています。

 

 市長と知事は基地建設に対する「協力表明」の前提条件として、あらゆる面での「住民の安全・安心の確保」ということを挙げ、国はそれに対し「政府一体となって、真摯かつ万全に対応する」と約束していることはご存知の通りです。また、京丹後市議会全体の合意として「市民の安全・安心の確保」は何度も確認されてきたところです。ところが現実にはその「住民の安全安心の確保」が十分に具体化されることなく、基地は建設され稼働してきました。各当局の対応はまだまだ不十分なものと言わざるを得ません。

 

 今年に入って更にその上により大きな問題が起こってきました。即ち、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)と米国との対立が激化し、在日米軍基地を抱えるわが国民全体が重大な脅威にさらされ、経ヶ岬米軍基地がその最前線のターゲットとされる危険がかつてなく高まっているということです。基地地元である宇川地区住民の危惧と不安は極めて深刻です。

 

 このような中にあって日本政府は、その対立の平和的解決に背を向け、一方的に米国を支持してその軍事行動に荷担し、国民に対し平和の危機をも招いています。

 

 私たち「米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会」は、米軍基地撤去を趣旨とし、第二期工事も不必要と強く要請しますが、米軍が第二期工事着工を強行する場合も以上のような状況を踏まえ、「住民の安全・安心の確保」と「国民の平和的生存権の維持」という観点から以下の諸点について貴職へ強く要望するものです。

 

 

1、現在、朝鮮と米国が深刻な対立関係にあり、東アジア全体が緊迫した情勢となっています。朝鮮戦争以来、米国・韓国・日本政府による朝鮮への軍事的威嚇と経済的封鎖政策により、朝鮮に軍拡の口実を与えてきました。武力で平和をつくることはできず、アメリカのやり方は東アジアにおける戦争の危機を高めるものです。わが国の現政府はその米国の軍事政策を一方的に支持し、それに対して朝鮮は、「在日米軍のある日本の攻撃も辞さず」と公言する事態となっています。米海軍艦船と海上自衛隊が日本近海で共同訓練を行ったり、米艦船を海上自衛隊の艦船か防護するなどという行為は、日本国民を敢えて危険に晒す行為以外の何物でもありません。このようなことをやめ、あくまでも平和外交による解決を目指すよう日本政府に強く働きかけること。

 

2、昨年10月14日と12月10日に米軍属の運転する乗用車が重大な事故を起こしました。それに対し市当局を始め各方面から大きな批判の声が上がり、具体的な改善策が防衛局、米軍などから示されました。その具体的安全対策の実態と効果を検証し、最低交通安全講習を受けない軍人軍属には運転をさせないという措置を米軍に求めること。

 

3、昨年11月より、経ヶ岬米軍基地の警備軍属などが陸上自衛隊福知山射撃訓練場で実弾射撃訓練を行っています。この件について米軍、防衛省よりその内容、安全対策など情報を開示させ、安全対策を徹底させること。

 

4.昨年7月以降、経ヶ岬米軍基地の敷地を東側に拡張する計画が進められています。交通上の安全対策ということですが、基地の現状から見て不必要な計画と言わざるを得ません。よって、この計画の再検討を求めること。

 

5、私たちは、自衛隊は憲法上裏付けのない違憲の存在と見なしています。その上で、自衛隊基地に併設にされた米軍基地のため、自衛隊基地の移転、一部改修が行われていますが、その規模は従前をはるかに凌ぎ、巨大化しています。何故、これほど巨大なものが必要なのか、従前と異なる機能が付加されたのか、米軍との共同使用など日米地位協定でどのようになっているか住民及び私たちに説明してください。

 

6、昨年の7月以降、経ヶ岬米軍基地内の穴文殊洞窟の真上(九品寺本堂の真後ろ)に「トイレ」が設置されました。この場所は何百年来、地元の方々が大切に守ってきた信仰の拠り所であり、住民の強い批判を受けて今年3月よりそのトイレの使用は停止されました。しかしトイレ本体はまだ残されたままです。米軍に対し早急に撤去を申し入れること。

 

7、今年3月、宇川地区では新設された尾和の変電所(経ヶ岬配電塔)まで3万3000ボルトの高圧電線が引かれ、既に電流が流されていると聞いています。米軍基地に関わっては騒音対策ということです。この電線は宇川地区の人家の軒先を通っており、その電磁波の危険や被害について住民より不安の声が絶えません。関電に対し住民への説明会を開き、安全対策を明らかにするよう求めること。

 

8、「米軍経ケ岬通信所の設置に係る安全・安心対策連絡会」について、住民が自由に傍聴できるものとすること。また、その主催責任を明確にし、防衛局の一方的な説明ではなく、実際の安全・安心対策を議論する場へと変えること。

 

9、当初の約束を反故にして個々に民間住宅に居住し、自家用車で通勤しているレイセオン社などの米軍属について、京丹後市がその実態を把握し、責任の所在と安全対策を明らかにすること。あわせて、当初の約束の履行を米軍、防衛局に対して強く求めること。

 

10、今秋に予定される米軍基地二期工事の開始にあたり、京丹後市が米軍・防衛局との間でしっかりとした安全協定を結ぶこと

                                          以上

 

米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会

共同代表 大湾宗則 上岡修 白井美喜子 瀧川順朗 仲尾宏

 連絡先 京都市上京区四番町121-5 大湾方

(Tel/Fax) 075-467-4437 (Email) kyogamisaki2013@yahoo.co.jp 

 

 

◆2016年10月31日 近畿中部防衛局